大相撲で塩をまくのが許されているのは十両以上の力士だけです。
神聖な土俵を清める意味で塩まきがあるのですが、力士によって塩の量もまき方も全然違うと思いませんか?
なかでも宇良は、テレビ中継でも塩が見えないくらいに少量で知られています。
そこで今回は宇良の塩が少ない理由は?塩まきを大量にする歴代力士も紹介についてお伝えします。
塩まきには決まりはありませんが、少ない量の力士から大量にまく力士まで実にさまざまなのです。
土俵に上がる力士の心は観客まで伝わりませんが、塩をまく姿から力士の性分が見えてきます。
宇良の塩が少ない理由は素人には分からない事情があるのかも知れません。
また逆に大量に塩をまいていた歴代力士にも素人には分からない事情がありそうです。
相撲好きが感じる素朴な疑問にお答えします。
宇良の塩が少ない理由は?
宇良本人も塩の量は指の第一関節くらいまでしか持っていないと言っています。
大相撲千秋楽で中継していた元横綱の若乃花も「目玉焼きにかける塩のようで少なすぎる」と語っていたようですね。
塩が少ないのはミニマリストのため
2017年に宇良は報道陣の取材の時にミニマリストに転身したと言われています。
宇良の心境に変化があったのはファンからの贈り物の多さにあったようです。
毎回宇良が登場した時には最も歓声が上がる力士だもんね。特に大阪場所は宇良の地元とあり凄かった!
ファンからの贈り物も半端なくて、部屋が物で溢れかえっていたようで、断捨離を決意したようなのです。
以前は溜め込み気質でモノを捨てられずに部屋が散らかっていたようです。
限られた自分の部屋がモノで溢れて置き場所に困っていたときに、今後のことも考えてモノを減らす方法を考えていたのでしょう。
捨てる選択ができない場合は、人に譲ったりメリカりで売ることもできる時代です。
最初は片付けに時間がかかっても慣れると、逆に汚い部屋が耐えられないようになります。
整理整頓がされた部屋を維持できている人は思考回路もスッキリしていると言われます。
宇良もネット情報や専門書で知識を増やしながらミニマリスト生活に変えたようです。
モノを増やさない生活を習慣化する1番のメリットは集中力が分散しない点にあります。
塩が少ないのは控えめな性格のため
アクロバット相撲で有名な宇良ですが、まわしはピンクで優しい表情を浮かべています。
塩まきも、会話も控えめ。
塩もほとんど見えないので撒いたかどうか分からない微量です。
宇良の強い攻め方と優しい性格のギャップが女性ファンの多い理由の一つだと感じます。
たとえば、取り組みの狙いを聞かれてもすかさず「ちょっとわからないです」「覚えてないです」と短い応答で愛想を振りまかず、試合後はすぐに立ち去るところも好感が持てます。
塩が少ないのは勝負に集中いるため
勝負に対して得意技だけではなく、食事に対してストイックに取り組む姿勢は有名です。
宇良は初土俵から2年で新入幕を果たしていますが怪我の影響で序二段まで落ちたのです。
相撲で勝つためにやっているのは怪我しないために体重を増やし身体を大きく改造しています。
土俵の塩でたくさん撒く入れる力士もいますが、宇良は微量で済ませているので塩の量はお気持ちレベルです。
塩まきも力士によって個性が表れていて面白い。
本来は土俵を清める意味があったと言われています。
ミニマリストに転身して塩の量も減らしたかどうかは定かではありませんが、宇良の儀式は塩まきより呼吸法に重点を置いているように感じます。
宇良と同じように微量の塩まきの力士で知られていたのは、関脇の出羽錦忠雄でした。
当時、多量塩まきで有名だった関脇の若秩父公明(わかちちぶこうめい)と真逆のことをすれば注目を浴びるだろうと極端に塩を少量にしたと伝えられています。
宇良の場合は、そんな対抗意識は皆無です。
迷信説も取り入れた節がなく、自分のルーティンを最優先させて無駄なものはなくし相撲だけに集中できる環境を自ら生み出しているように感じるのです。
相撲の塩撒きを大量にする歴代力士を紹介
中には土俵内が塩でいっぱいになるくらいに毎回豪快に塩まきする力士が存在したのです。
それぞれに塩に対する思い入れがあり、代々受け継いだ歴史もあるようです。
歴代力士①若秩父公明(わかちちぶこうめい)
■1939年3月16日生まれ(75歳で没)
■身長175㎝ 体重150kg
■埼玉県秩父郡出身
■花籠部屋
■得意技は左四つ、吊り、寄り
11月のある場所で負け越したとき縁起直しの意味で飲んでいた先で泥酔客に出くわし、振り払った行動が暴力として報道されてしまいました。
この理不尽さを晴らす意味で制限時間まで大量の塩をまき始めた理由と言われています。
当時少ない塩をまいていた出羽錦忠雄(でわにしきただお)と比較されたときに読まれた川柳があるのです。
塩などは安いもんだと若秩父
出羽錦 塩の値段を知っており
出典:Wikipedia
歴代力士②青葉山弘年(あおばやまひろとし)
■1950年4月3日生まれ(47歳没)
■身長187㎝ 体重132kg
■宮城県黒川郡出身
■木瀬部屋
■得意技は左四つ、寄り
当時のドラマで森繁久彌のセルフで「青葉山みたいに塩いっぱい持ってこい」とキャッチフレーズがあるほど青葉山の塩まきは大量だったと言われています。
当時オイルショックの余波の影響から世間の批判の声が上がる一方でファンから大量の塩が贈られていたのです。
相撲ファンの中には相撲前の塩まき光景を楽しみにしている人も多かったと言われています。
歴代力士③水戸泉政人(みといずみまさと)
■1962年9月2日生まれ(61歳没)
■身長194㎝ 体重192kg
■茨城県水戸市出身
■高砂部屋
■得意技は突っ張り、左四つ、寄り、上手投げ
天井高く山盛りの塩をまく仕草でソルトシェーカーとあだ名が付けられるほど大量の塩まきをしたと言われています。
理由は付き人からの一言でした。
「勝ち星に恵まれないときは、せめて塩だけでも景気良くまいたらどうですか?」
1回の塩が600gなので周囲から水戸泉といえば豪快な塩まきと言われるようになったのです。
歴代力士④北桜英敏(きたざくらひでとし)
■1971年12月15日生まれ
■身長189㎝ 体重167kg
■広島県広島市出身
■北の湖部屋
■得意技は左四つ、寄り
2000年の7月場所で大量に塩まきする水戸泉との土俵で気合いを入れて塩まきした時に勝ち越したことがきっかけとなり大量の塩まきを習慣にしたと言われています。
のちに水戸泉が引退するとき北桜英敏にソルトシェーカーの後継者に任命して水戸流の高く美しく舞い上がるようなまき方を教えていたのです。
土俵入りの浄める意味より勝利するための願掛けの意味があったのかも知れません。
まとめ
相撲ファンにとって塩まきする光景は印象深いものがありますよね。
調べていくと塩の量が少ないのも多いのも力士なりの理由があることが分かりました。
今回は宇良の塩が少ない理由は?塩まきを大量にする歴代力士も紹介についてお伝えしてきました。
相撲に興味を持つと力士の振る舞い一つ一つを観察するのが楽しみになります。
土俵は豊作を願う神ごとで神聖な場所と言われて今もその伝統が継承されています。
塩まきを大量にする歴代力士を見ていると勝ち越したい理由から始めた力士が多い印象でした。
宇良の塩が少ない理由は3つほど理由が考えられますが、同じように静岡県出身の翠富士も少なくて有名です。
これからの宇良の塩まきに注目してみてくださいね。